IPO の使用

このトピックでは、コマンドラインから IPO を使用する方法を説明します。

IPO を使用したコンパイルとリンク

IPO を有効にするには、最初に各ソースファイルをコンパイルし、結果として得られたソースファイルをリンクします。

次のように、最初に [Q]ipo コンパイラー・オプションを使用してソースファイルをコンパイルします。

オペレーティング・システム

コマンド例

Linux* および macOS*

icpx -ipo -c a.cpp b.cpp c.cpp

Windows*

icx /Qipo /c a.cpp b.cpp c.cpp

上記のコマンド例では、オペレーティング・システムによって出力が異なります。

c コンパイラー・オプションを使用して、.obj ファイルを作成した後でコンパイルを停止します。出力ファイルには、コンパイルされたソースファイルに対応するインテル® コンパイラーの中間表現 (IR) が含まれます。

次に、結果ファイルをリンクします。次のコマンド例では、app という名前の実行ファイルが生成されます。

オペレーティング・システム

コマンド例

Linux* および macOS*

icpx -o app a.o b.o c.o

Windows*

icx /Feapp a.obj b.obj c.obj

このコマンドは、IR を含むオブジェクトに対してコンパイラーを実行して、リンクされるオブジェクトの新しい一覧を生成します。また、xilink (Windows*) ツールを適切なリンクオプションとともに使用できます。

ステップの組み合わせ

上記の例で使用した複数のコマンドを組み合わせて、1 つのコマンドにすることができます。

オペレーティング・システム

コマンド例

Linux* および macOS*

icpx -ipo -o app a.cpp b.cpp c.cpp

Windows*

icx /Qipo /Feapp a.cpp b.cpp c.cpp

上記の例のように、icx / icpx (C++) または dpcpp (DPC++) コマンドは、指定されたオブジェクト・ファイルにリンクする GCC ld (Linux* および macOS*) または link.exe (Windows* のみ) を呼び出し、/Fe (Windows*) オプションで指定された実行ファイルを生成します。

Linux*: icpx (C++) または dpcpp (DPC++) を使用すると、コンパイラーは標準 C++ ライブラリーを自動で使用することができます。icx は標準 C++ ライブラリーを自動で使用しません。

macOS*: icx / icpx を使用すると、コンパイラーはデフォルトで libc++ ライブラリーを使用することができます。

インテルのリンクツールは、-O0 (Linux* および macOS*) または /Od (Windows*) オプションでのコンパイル動作をエミュレートします。

一連のオブジェクト・ファイル (擬似オブジェクト・ファイルは含まない) に複数ファイル IPO を適用すると、複数ファイル IPO は実行されません。単にオブジェクト・ファイルがリンカーにリンクされるだけです。

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